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爆発物注意報 (堂郁SS) 作:ありままさん

(堂郁SS、結婚後-新婚時代)

「爆発物注意報」


結婚して数ヶ月。ようやく生活のリズムもつかめてきた頃のお話・・・。

残業で少々帰りの遅くなった堂上は、官舎の階段を上っていた。
部屋のドアが見えたところで、「バンっ」という音と「きゃーっ」という悲鳴を聞いた。
妻のものらしきその悲鳴を聞いた途端、堂上は駆け出し、鍵を開けるのももどかしいほどだった。
「郁、どうした、何があった?」
やっとドアを開け、駆け込んだ先で郁を探し、台所へたどり着くと息をのんだ。
こちらに背を向けて、ぺたりと床に座り込んだ郁は、体中に赤いものが飛んでいた。
郁だけではなく、台所中が赤いしぶきで彩られていた。
まるで血しぶきがあがったようで、「郁っ」と声をかけて近づいた。
「郁っ、どうした。怪我したのか? どこやった?」
反応の薄い郁の正面に回り顔を覗き込むと、呆然とした真っ白な顔があった。
「郁っ」肩を掴んでちょっと揺すると、はっとしたようにこちらを見て「・・篤さん・・。」と呟いた。
「怪我したのか?」優しく聞いて髪についた血らしきものを拭う。
「・・・爆発した・・・」「?」なにげなく、指についたものを舐める。
「?・・・ケチャップ?・・」
よく見ると、郁の体や、台所中に飛び散った赤いものは、ケチャップだった。
テーブルの上には少しいびつながらも、郁の作ったオムレツが二つ、皿に盛り付けられていた。
「・・何があった?」
「・・・だから、爆発したんです。ケチャップが・・・。」
「はぁっ?」

昨日、新しいケチャップを下ろしたばかりだった。
卵の特売で買い置きがたくさんあったので、昨日のうちから今日の夕食はオムレツと決めていたらしい。だから、おろしたばかりのケチャップをそのまま台所に出しっぱなしにしていたのだ。
そして、オムレツも出来上がり、仕上げのケチャップを・・・と、取ろうとしたところ、爆発した。びっくりして、取り落としたケチャップは、半分ほどの量に減って床に転がっていた。

「・・・・はあぁぁぁぁっ・・。」
堂上は、盛大に溜息を吐いたあと、声を殺すように笑い出した。
「なっなななななんで、そこで笑い出すんですかぁぁぁぁっ。」
真っ赤な顔で言いつのる郁に、満面笑顔のまま堂上は言い放った。
「笑うしかないだろうっ、このあほぅ。この惨状見て、笑えないわけあるかっ。」
確かに、笑うしかない状態だった。
どうやって飛んだのか、天井まで散った赤い斑点。
シンクから、食器棚、冷蔵庫に至るまで、床といい、壁といい、あらゆるところにケチャップが散っている。これをどうやって片づけろというのか。
「もういいから、早いとこシャワー浴びて着替えてこい。お前まるでスプラッタだぞ。」
そう言われて、郁はあわてて浴室へと向かった。
それを見送って、堂上は又盛大に溜息をついた。

とりあえず、上から順に拭くとしたもんだろう。
部屋着に着替えた堂上は、いすに乗って天井から拭いて行った。
壁に移ったあたりで、郁が戻ってきた。
「ずいぶん早かったな。」
そう声をかけると、「あっ篤さんばかりに、迷惑かけられませんから。」と言う。
よく見ると、着替えただけで頭はタオルでとりあえず拭いただけのようだ。
「あっあの、掃除したらまた汚れるので、終わってから入ります。」
と、消え入りそうな声で話すから、たまらない。
はははっ、と笑いながら「別によかったんだぞ。」と問えば、「篤さんは、家では私に甘すぎます。」と言われる。
「わかった、わかった。」
そう言って、二人で掃除を始めた。

「なんで、爆発したんでしょう。」
食器棚のケチャップを拭きながら郁が言う。
「そりゃあ、外に出しといたからだろう。開封したら冷蔵庫で保存しろと、外袋に書いてあるぞ。」
「えっええっ?!」
「知らなかったのか?」
ぶんぶんと首を振る郁に苦笑しながら、「読むべきところはちゃんと読め。図書隊だろう?」と堂上に言われ、郁はがっくりと肩を落とした。

「・・・ま、こんなもんだろうな。」
一通り掃除が終わり、汚れたタオルを洗濯機に放り込みながら、いきなり堂上は郁のTシャツをめくり上げた。
「ギャーーーっ、ああああっ篤さんっ、何するんですかぁっ?」
悲鳴を上げる郁に、堂上はにやりと笑った。
「このまま風呂入るぞ。ケチャップまみれで飯食うわけにもいかんだろう。」
「一人で入れますっ。」
そういう郁の耳を堂上は舐め上げ「ケチャップついてるぞ。」と囁いた。
真っ赤になって耳を押さえた郁の意志は置き去りで、堂上はさっさと脱いで浴室へと移動した。
「おい、急げよ。洗ってやるから。」
と、声をかけられ、郁は「うううっ」とうなりながら、やっぱりさっきのうちにシャワー浴びとけばよかったと、思うのだった。

Fin
ありままさん あとがき(?)

うちの母がやらかしました。ケチャップ爆発。

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1人で先に読んで、夜中にニヤリ( ̄ー ̄ )としました。
ありがとうございましたー!

ありままさんへのラブコールは、コメント公開でどうぞ!
秘密のお話だったら…私が読めちゃうので秘密にならないですよ~
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非公開コメント

爆発するのか~

ありままさんSSツアー中です。
ケチャップ…温まったら確かに爆発しそうだな。容器が裂けるのか?キャップが吹っ飛ぶのか見てみたい!でも掃除タイヘンそう…主婦の視点になってしまう。
でもここで怒らずに笑ってフォローする堂上に愛を感じますね~。ケチャップまみれの郁も可愛いと思うのか。柴崎に言ったら「さすがブラッディ笠原」と笑われそうです。
もう惨状が脳裏に浮かぶ、楽しいSSでした。ありままさんご馳走様。そして大家のひよさんに感謝!

一見すぷらっただよなー・・・

ども、ごちそーさまですた。
きっと、意外なところに拭き忘れたケチャップが着いてそーですね。ステキなSS拝見できてとってもうれしいっす。
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ひよ よりも「やまだ」がしっくりくる今日、この頃・・・

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